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2016/09/07

エレガントビーストBA001開発よもやま話 その1

コニシス研究所
実績紹介

酔っ払っての飲み屋での話はああてになりませんが、今回ばかりは、酒席での話から、このギターバッファーを作ることになりました。そんな製作よもやま話をご紹介します。

この日も師匠(JPLの長谷川さん、プロのギタリストでもあります)と私はギターと音楽と機材の話をツマミに酒席は盛り上がってい ました。 「小西さん!クラウンレコードのマスタリングルームのプリアンプはコニシス ですよね。」と長谷川さん。 そうそう、長谷川さんはギターの師匠ではありますが、私の方が年上の為、一 応敬語なのですよ。

長谷川 「あれ凄いいい音でビックリしましたよ。」
小西 「そりゃそうだよ、あれはカスタムオーダーで設計した、ディスクリート
構成のオペアンプ回路の最高級のプリアンプだからね。」

長谷川「ディスクリート?オペアンプ構成?何ですかそれ」

小西「ディスクリートはさぁ、真空管やトランジスタのような個別の部品のこと。今の機材はほとんどICで構成されてるのよ。ICは薄膜技術といって、印刷 みたいな方法で回路を作ってるから、要するに部品も全部印刷みたいなもんで、小さくはできるけど、音楽の信号はそこを通るんだから、音には良いわけがけないよね。」

長谷川「だからビンテージ機器はすごい音がするんだ。じゃぁ、なんで 全部ディスクリートにしないんですか?」

小西「まず大きいよね、それから部品がバラついていて、そろえるのが大変、あと特性がフラットじゃないことなどなど。」

長谷川「じゃぁ、駄目じゃないですか。」

小西「ディスクリートの部品の非直線性を改善するために登場したのがオペアンプなんだね。簡単に言うとオペアンプはフラットじゃない部品を逆向きに組み 合わせたり、抵抗やコンデンサを追加して構成されたフラットでハイスピード なアンプなんだよね。電子楽器を含めて音が出る最近の機材はオペアンプIC のかたまりなんだよね。もともとアナログコンピュータ用に開発されたモノら しい。」

長谷川「難しくなってきたなぁ。」

小西「つまりディスクリートでオペアンプ構成だったら両方の良さをもっていて、すごくいいのは当たり前なんだよ。でも作るのが難しいし、お金もかかるし、 大きくなるしね。コニシスでもハイエンドオーディオやマスタリング用のカス タムにしか採用してないよ。」

長谷川「へー凄そうですね。じゃぁ、それをギターに使いましょうよ。」

小西「なに~ギターに!!」「ギターにゃ必要ねーだろ!」

とはいったもののヨクヨク考えると、弦の鋭敏で微妙なニュアンスそして音の 美しさを余さず伝えるのにはピッタリかもしれないぞ?? とくにギターから直ぐのところに!! 

つづく